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クラウド移行の基礎知識|メリットや移行手順を解説

クラウド移行の基礎知識|メリットや移行手順を解説

目次

近年ではクラウド移行する企業が増え、「クラウド」の言葉を耳にする機会も多くなってきました。しかし「クラウド移行とは何か理解していない」「クラウド移行にどんなメリットがあるのかわからない」「クラウド移行を検討しているものの、どのような手順で行えばよいのかわからない」という方は多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、そもそもクラウドとは何か、クラウド移行のメリットや移行手順などを解説していきます。「自社システムのクラウド移行を検討したい」という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

クラウドとは?

クラウド移行

クラウドとは、インターネット上で、外部事業者のサーバー環境をサービスとして利用できる仕組みのことです。この仕組みを利用したサービスを「クラウドサービス」と呼び、Amazon社の「Amazon Web Services(AWS)」、Microsoft社の「Azure」、Googleの「Google Cloud 」をはじめとして、さまざまな企業から提供されています。

また、クラウド上にデータを移行することを「クラウド化」とも呼びます。クラウド化についてくわしく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。

クラウド移行するメリット

クラウド移行

ここ数年でオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えています。しかし「クラウド移行するメリットが明確にわからない」とためらっている方もいるのではないでしょうか?ここでは、クラウド移行するメリットを5つ解説します。

俊敏性の向上と初期費用の抑制

AWSでは100以上のさまざまなサービスが提供されており、。またサーバ/ストレージの調達や設置・導入も不要となります。システムの移行や構築時にかかる初期費用を大幅に抑制するとともにプロジェクトにかかる期間を短縮することが可能となります。

また、いつでもシステムの導入を開始することが可能となり、システムの俊敏性を向上するのはもちろんのこと、新しいビジネスのためのシステムの構築を初期投資なくいつでも開始することが可能となります。これにより新しいビジネスのアイデアをリスクなく検証し開始することが可能となります。

高い柔軟性とコストの最適化

クラウドサービスは使用した分だけ月額利用料がかかる従量課金制であり、その時に利用したサービスにのみ料金を支払います。オンプレミスのように「使っていないリソースにもコストがかかり続けることで費用対効果が下がってしまう」という状況を防ぎ、余分なコストを削減できるのです。

企業環境の変化に合わせて、リソースの追加や削除、変更が行えるため、アクセスが急増した際にその場でサーバーの台数を増やして障害を回避したり、アクセスのピークが過ぎたあとにサーバーを減らしてコストを削減したりといった対応も可能です。

運用負担が軽減とセキュリティの確保

サービス提供者がサーバ/ストレージなど基盤障害や高いセキュリティ性の確保などのメンテナンスを行ってくれるため、基盤運用の負担が軽減されます。メンテナンス・保守を行う人材をより高付加のサービスの開発などへシフトすることが可能となります

また、クラウドベンダーのITプロフェッショナルによるセキュリティ対策が行われた基盤を利用することにより自社構築と比較してコストをかけることなくセキュリティ対策を実現できることもメリットです。

継続的なイノベーションの享受

クラウドサービスで提供されているインフラは、サービス提供者によって常に最新機能がリリースされつづけています。そのために、様々な最新のサーバやストレージを大きなコストをかけずに利用したり、最新機能を利用したりすることができるのはオンプレミスでは実現することができない大きなメリットといえるでしょう。

事業継続性が高まる

クラウドサービスを複数の拠点で稼働することが可能となります。複数の拠点でシステムを稼働させたり、別拠点へのバックアップを保持するなどの対策を取ることにより、自然災害や事故など不測の事態によるシステム消失やデータ消失などのリスクを最小限に抑え、スムーズに事業が継続できます。

クラウド移行の手順

クラウド移行

クラウド移行する際には、データを移動させるだけでなく、導入計画の準備や事前テストといったデータ移行前の手順を踏む必要があります。

クラウド移行の具体的な手順としては、

  1. 計画・事前準備
  2. 事前テスト
  3. 移行本番の切り替え

の3つのステップです。

1.計画・事前準備

クラウド移行成功のために重要なのが、あらかじめ明確なゴールを設定し、導入計画を立てることです。「オンプレミスからなぜ移行するのか」「どのシステム・データをどの範囲まで移行するのか」「いつまでに移行するのか」といったことを考え、最終的なゴールを明確にしましょう。

次に、クラウド移行させるハードウェア、ソフトウェアの稼働状況を把握します。サーバーへアクセスするためのログイン情報や実際にデータ利用する部署のリストアップなどをして、情報を棚卸ししましょう。

情報を整理したら、移行方法を決定します。移行したいシステムやデータの量の決定、切り替えのタイミングなどを考慮しながら最適な移行方法を検討し、移行作業で必要になる環境の調査や人的リソースの手配をあらかじめ行っておきましょう。

2.事前テスト/リハーサル

事前準備が整ったら、クラウド移行本番の前に事前テストをします。本番と同じ環境のテストサーバー上で実施し、動作に問題がないか確認します。問題が発見されたときはその解決策を検討し、問題なく移行本番を迎えられるよう準備しましょう。また重要システムは本番切り替えのリハーサルも実施することも大切です。

3.移行本番の切り替え

事前テストが完了したら、いよいよ移行本番の切り替えを行います。切り替えを行う際には、あらゆる事態を想定して連絡体制を整えておくことが大切です。どんなトラブルが起こってもすぐに対処できるように、移行作業に関わる担当者の連絡先や連絡のつく時間帯などをリストアップしておきましょう。順調に移行作業が進んでいる場合でも、作業の進捗状況を担当者へ随時共有しておくとよいでしょう。

クラウド移行で陥りがちな課題とその対策方法

クラウド移行

クラウド移行時のよくある課題を2つ解説していきます。それぞれの課題を理解したうえで対策を講じていきましょう。

課題1.運用負荷が増大する

クラウド運用する場合、サーバー管理などの対応をクラウドサービス提供者が行ってくれますが、アプリケーションの管理などは、自社で運用しなければならない点はオンプレミスとかわりありません。そのため、社内にクラウド知識やスキルのある担当者がいないままクラウド移行してしまうと、結果的にクラウド運用工数が大きくなり、運用負荷が増大することがあります。

課題2.利用料金が膨れ上がり、想定外の大きなコストが発生する

運用コストの削減を目的としてクラウド化を行う企業は多いですが、必ずしもそれが叶うわけではありません。たとえば無計画にサービス利用を続けてしまうと、ランニングコストや利用ライセンスの増加によるコストが積み重なり、月額の利用料金が膨れ上がってしまいます。

クラウド移行で失敗しないためにできる対策方法

クラウド移行の失敗を防ぐためには、あらかじめ導入目的を明確にしておくこと、自社の予算と想定コストを正確に把握しておくことが必要です。現在のシステムをそのまま移行するのではなく、クラウドの特性を理解して移行計画を立案することや、クラウドの運用体制を整備しておくことが、クラウド移行におけるコスト最適化のためには重要となります。

また、クラウド移行を検討する際には、信頼できるパートナー企業への相談がおすすめです。複数のパートナー企業を比較して、過去のクラウド移行実績や運用サポート範囲などのさまざまな要素を吟味することで、信頼できる企業選びができます。

クラウド移行なら、クラウドのスペシャリスト集団BeeXにお任せ

上記のような課題に陥らないためにも、自社でクラウド移行や運用のすべてを実施するのではなく、クラウド専業会社に相談することがおすすめです。BeeXには、企業の基幹システムに精通した技術コンサルタントが一同に集結。「オンプレミスで運用しているシステムを周辺システムごとクラウドに移行したいけれど、知識のある相談相手がいない」という企業の方でも安心してクラウド移行ができるよう、基幹システムとクラウドに長年携わってきたエンジニアが環境構築を行います。

導入事例 アンリツ株式会社様

各種通信システムの開発や品質保証に欠かせない通信用計測器など、幅広い分野の製品を提供するアンリツ。同社は基幹システムのSAP ERPを国内のクラウドサービス(IaaS)上で運用してきましたが、リソースの最適化と、コストの高止まりに悩まされていました。そこで同社はインフラ基盤をアマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行することを決断。そのパートナーにBeeXを選定しました。移行はBeeXの支援もあってトラブルなく完了。リソースの柔軟性が向上し、コストも削減できました。さらに、BeeXの運用・監視サービス「BeeXPlus」を採用したことで、問い合わせ窓口が一本化し、コストも見える化されています。

くわしい内容はこちらの記事をご確認ください。

まとめ

クラウド移行には、コスト削減や容量拡張などさまざまなメリットがあります。しかし、導入目的が不明瞭だったり、正確なコストシミュレーションができていなかったりすると、かえって運用コストが大きくなったり運用負荷が増大したりすることもあります。そこで、専門知識を持ったパートナー企業と相談しながら進めていくことがおすすめです。BeeXでは、クラウドと基幹システムに精通したエキスパートが移行計画のコンサルティングから運用保守まですべてお任せいただけます。クラウド移行の相談相手にお困りの方は、ぜひお問い合わせをしてみてくださいね。

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