目次
はじめに
SAP EarlyWatch Alert(以下、EWA)は、Solution Manager(以下、Solman)を使わなくても、SAP社のサポートサイトで直接作成できることをご存知でしたか?Solmanが登場する以前は、SAP社のサポートサイトでEWAを直接作成していましたが、Solman登場後はSolman上でEWAを作成されていたかと思います。SAPサポートサイトで直接EWAを作成する方法と、Solmanを使わずにどのようなサービスを受けることができるかをご紹介します。
Solution ManagerなしでSAP社から受けることができるサービス
ノート「2899458」によるとSAP CQC for Implementation、SAP CQC for Upgrade、SAP CQC OS/DB Migration Check等がSolmanなしで受けられると記載されてます。多くのサービスがSolmanなしで大丈夫ですね。ただし、Solmanなしで直接EWAデータをSAPサポートサイトに送信できるのは、ABAPシステムに限定されていて、JavaやBOシステムはSolmanもしくはFRUNを経由する必要があり、注意が必要です。
Solmanなしで提供可能なサービス
- SAP CQC for Implementation
- SAP CQC for Upgrade
- SAP CQC OS/DB Migration Check
- SAP CQC for Private Cloud Go-Live
- SAP CQC EarlyWatch Check
- SAP CQC Technical Performance Optimization
- SAP CQC Business Process Performance Optimization
- SAP CQC データボリューム管理
- SAP Upgrade Weekend Support
- SAP GoingLive Check
- SAP GoingLive Functional Upgrade Check
- SAP OS/DB Migration Check
- SAP EarlyWatch Check
- SAP General Ledger Migration サービス
Solman7.2のメインストリームサポートが2027年末ということを考えると、EWA利用だけであれば、SAPサポートサイト直接に変更していくのがメンテナンス等の負担が少なくて良いかと考えています。なお、Solmanの後継には、CloudALMとFocusedRUNがありますが、CloudALMにはEWAの機能は入っておらず、FocusedRUNは大規模ユーザ向けということです。
SAPサポートサイトにEWAデータを直接送信する方法
ABAPシステムからSAPサポートサイトにEWAデータを直接送信の方法は、非常に簡単です。ノート「207223」を参照してみてください。サポートバックボーン対応ができていれば、トランザクション: SDCCNで設定すればEWAデータがSAP社に送信されるので、後はEWAレポートが作成されるのを待つだけです。なお、EWAレポートはクライアントの属性がテストか本番のみが対象となります。
どんなレポートがでるか
作成されたEWAサポートは、https://me.sap.com/ewa/report で確認することができます。
サマリーページでは赤信号のレポートを確認することができます。下記システムは、お試しでインストールしたシステムですので、赤信号が多いことは大目に見てください。
また、SAP for meのEWAワークスペース https://me.sap.com/app/ewaworkspace からは次のように複数システムのハイライトを確認することができます。複数のシステムを一括で管理できたり、従来のワード形式でのダウンロードができたりするので、利便性もいいですね。
最後に
Solution Managerを使用せずにEWAをSAPサポートサイトで直接作成する方法をご紹介しました。ABAPシステムのみ利用でき、JavaやBO製品の制限がありますが、SAP製品を稼働させているOSやDBのアップグレード、ハードウェアの更新等のタイミングでSolution Managerの利用方法を見直す機会になればと思います。