(3/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:クラスタ構築編

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Naritoshi

(3/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:クラスタ構築編

目次

本記事は、下記の通り4回シリーズになっております。

(1/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:共有ストレージ検討編
(2/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:iSCSI共有ストレージ設定編
(3/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:クラスタ構築編  <-本記事
(4/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:動作確認編

前回までは、SoftNASを使い、Windows Failoverクラスタで使用するiSCSIドライブを作成しました。今回からは本題のWindows Failover クラスタを設定して行きます。
環境として、異なるAvailability Zone(以降AZと略)にそれぞれ1台のWindowsインスタンスを作成し、その間でクラスタを構築します。

構築する構成の概要図は、次の通りです。

異なるAZでのクラスタを構築すると、仮想IPとして同一のものを使用することができません。異なるAZでは、異なるサブネットを使用する必要があるためです。このため、クラスタ用のIPアドレスとサービス用のIPアドレスをクラスタのサーバ毎に用意します。
通常クラスタ環境では、IPアドレスを複数のサーバ間で受け渡すことでユーザは同じIPアドレスでアクセスできますが、今回はそれができません。アクセス先の切り替え方法としては、DNS検索で返されるIPアドレスを変更することで対応します。
例えば、クラスタが左側のサーバ: dstyo001で動作している場合、DNS登録が必要です。
172.31.5.167  クラスタ用IP
172.31.6.49  サービス用IP
フェイルオーバが発生し、クラスタが右側のサーバ: dsyto002で動作している場合には、次の登録が必要です。
172.31.44.45  クラスタ用IP
172.31.38.152  サービス用IP
以上を目標の構成として、設定を行っていきます。
準備

  1. Windows ServerにてFailover Clusterの機能追加を行っておきます。
  2. AWS コンソールからセカンダリIPアドレスを各サーバに2個追加しておきます。

クラスタ用のIPアドレスと、サービス提供用のIPアドレスの各2個です。

クラスタ設定

  1. Failover Clusterの設定を行います。
    iSCSIドライブを共有ドライブとし、準備で用意したIPアドレスをクラスタ用とサービス用のIPアドレスとして設定します。

2. クラスタやサービス用のIPアドレスは、サーバによって異なるアドレスを使用するため、次のように設定してあります。

・サービス用のDI_JOBSERVICEに対して、2個のIPアドレスを割り当ててます。(下記左図)
・割り当てたIPアドレスの一方が利用できれば正常となるように設定します。(下記右図)
・DNSの登録が更新されるようにPublish  PTR recordsにチェックを入れておきます。

・172.31.5.167のIPアドレス設定詳細は、dstyo001でのみ使用できるようにしています。(下図)

クラスタの設定が終わったクラスタサービスの画面は次の通りです。
サービス:DI_JOBSERVICEに2個のIPアドレスが紐づいており、Onlineになっているのは片方であることがわかります。

これでクラスタ設定が終了しました。クラスタへのサービス登録などは省略しています。

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