目次
本記事は下記の通り4回シリーズになっております。
(1/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:共有ストレージ検討編 <-本記事
(2/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:iSCSI共有ストレージ設定編
(3/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:クラスタ構築編
(4/4)AWS EC2でWindowsクラスタ検証:動作確認編
エンタープライズのお客様では、Windowsをお使いの方が多いですが、Amazon Web Services (AWS)上でのWindows Failoverクラスタを構築した事例って意外と公開されていないですね。うまく見つけられなかったので、実際に構築してみることにしました。AWS上でFailoverクラスタを構築するにあたり、次のような制限があります。どのように動作するかを確かめています。
- AWSのストレージ(EBS)は、仮想サーバ(EC2)間の共有ストレージとしてアクセスはサポートされていません。共有ストレージをどのように用意するか?
- AWSのAvailability Zone間では、サブネットが異なるため、クラスタのサーバ間で同じ仮想IPアドレスを使用することができません。Windows Failoverクラスタでこの部分をどのようにサポートしているか?
共有ストレージの用意
まずは、AWS内で共有ストレージを用意します。AWSでは共有ストレージを用意していないので、用意する方法としては次のようなものがあります。
- iSCSI方式
iSCSIサーバを用意し、iSCSIドライブを共有ストレージとして作成し、クラスタのサーバに向け公開する。iSCSIサーバであれば、Windows ServerもiSCSIサーバとすることもできます。その他SoftNAS社の製品でソフト的にNASを組む方法やZadora社で提供されているNASをそのまま使うという方法もあります。
- ディスク間レプリケーション方式
各サーバにEBSを接続し、EBS間でディスクレプリケーションを行うことで、共有ストレージとして使用する。例えば、SIOS社のDataKeeperなどの製品があります。Windows Server 2016からのストレージレプリカの機能を使用しても作成できそうです。
今回はSoftNAS社の製品を使用し、iSCSIドライブを共有ストレージとしています。
なぜ、SoftNAS
今回は、SoftNASという製品を使いました。AWSのEBSを束ねて、ソフトウェアでNAS機能を提供しています。SoftNASは、NASというだけあって、色々と優れた機能があり、面白そうなので、選択しています。例えば、次のようなものがあります。また、AWS上で無料トライアル期間があり、手軽に検証もできます。
- iSCSIドライブ、CIFSドライブ、NFSドライブを用意できる。
- CIFSでは、ADと連携できる。
- 2台のSoftNASサーバ間でストレージのレプリケーションを行うことができる。
- そのうえで、HA(High Availability)機能では、AWSのAZ間でのファイルオーバに対応している。
SoftNAS 可用性構成の説明
(SoftNAS社のHigh Availability Guideよりhttps://www.softnas.com/)
次回は、SoftNASを構成し、iSCSIの共有ドライブを作成していきます。
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