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今日はHANADBのお話です
SPAM/SAINTや移送、インパクトが大きいカスタマイズなどの際、”もしも”の時に備えて”念のためバックアップ”を取っていると思います。
通常のデータベースバックアップに加えて、仮想環境やクラウド環境では、マシンイメージやディスクのスナップショットを利用していると思います。
リストアが必要になった場合、データベースのリストアって結構時間がかかりますよね。マシンイメージやスナップショットは比較的短い時間で戻りますが、インフラチームに依頼が必要だったりしませんか。
もうちょっと簡単に”念のためバックアップ”が取れたらうれしくないですか?
そこで、Fallback Snapshotです
Fallback Snapshotは、HANA DB 2.0 SPS3から登場した機能で、テナントDBのスナップショットを取ることができます。前述のような、”念のためバックアップ”にピッタリです。
・テナントデータベースのスナップショットが取れます。データベース全体やSystemDBは取れません。
・Fallback Snapshotはテナントデータベースの中身のみです。パラメータなどの構成設定は含まれません。
・Fallback Snapshotは1つのみ取れます。取る、もう一回とる(1回目のは消える)、消すのみです。もちろん戻すも可能です。
HANA System Replicationをしている場合、制約事項があります。SPSによってちょっと差異があるのでSAP Help Portalを参照ください。
実際に取ってみる
HANA Cockpitでやってみます。
Database Managementで、テナントDBを選び、Create Fallback Snapshotをするだけです。非常に簡単です。
Fallback Snapshotのところに取得時間が表示されます。
Fallback Snapshotに戻す場合は、テナントDBを選んで、Reset Tenant to Fallback Snapshotで元に戻ります。
HANA Cockpitが無い方
SQLクエリから取得も可能です。privilege:DATABASE ADMINがひつようです。
-- create
ALTER DATABASE <database name> CREATE FALLBACK SNAPSHOT;
-- Show Snaphost
SELECT * FROM M_SNAPSHOTS;
-- reset to snapshot
ALTER SYSTEM START DATABASE <database name> FROM FALLBACK SNAPSHOT;
-- delete
ALTER DATABASE <database name> DROP FALLBACK SNAPSHOT;
最後に注意点です。
繰り返しになりますが、従来のDBバックアップの代用にはなりません。/hana/dataや/hana/logが壊れた場合復旧できません。
また、スナップショットからの変更分は/hana/logの領域に蓄積されていきます。そのため、/hana/logの空き状況と相談し、一時的なバックアップとしてご利用ください。
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