目次
BeeXにジョインして半年経過した榊原です。今回はめでたくAWS資格を全冠できたので、これについて色々語っていきます。これから資格取得を頑張る方のモチベーション向上につながれば幸いです。よろしくお願いします。気の赴くままに書いていたら、量が多くなったのでQA形式でまとめています。
※本記事の情報は2023年4月17日時点のものです。各資格試験や紹介している書籍や記事等については筆者受験時と内容が変わっている場合があります。ご注意ください。
この記事でわかること
- 資格取得は実際に役に立つのか
- 資格取得に関する筆者の体験談
- AWS資格の具体的な勉強方法と役立った勉強教材
はじめに
Q. 筆者の経歴は?
- 理系大学院卒で社会人4年目
- 前職は非IT企業(半年SIerに出向経験あり)
- AWSの資格取得前はIPAの基本情報技術者試験を所持
- 本腰入れて業務でAWSを扱った経験は1年ほど(エンジニア歴も同じくらい)
- 現在は上司の力を借りつつ、AWSを用いたシステムの要件定義、設計、構築を担当
Q. AWS資格取得のきっかけは?
前職で所属部署全員でAWS Certified Solution Architect - Associate(SAA)を受験しようとなったのがきっかけです。直前にAWS公式のセミナーを受講させていただいたのですが、ここで「AWS楽しい!」となり、絶対合格しようと燃えました。無事合格したのですが、720点合格に対して729点とかなりギリギリでした。ちなみに画像にRetiredとあるのは合格したのが旧試験だからです。
Q. そこから全冠しようと思ったきっかけは?
理由は三つあります。一つ目は単純に興味です。SAA取得をきっかけにもっと色々なAWSサービスやIT関連の知識を勉強したくなりました。二つ目は会社へのアピールです。前職は非IT企業だったので、業務でAWSを扱う枠を勝ち取るため奮闘しました。結果としてAWSを使用する業務に携わることができました。三つ目は完全にノリです。SAAとれた→他のアソシエイトも取るか→SAPもチャレンジしてみるか→なんならDOPも取るか→もういっそ全部取るか!といった感じです。
Q. 苦労した試験は?
どれも苦労しましたが、特に印象に残っている試験は二つあります。
- SAP-C01_AWS Certified Solutions Archtect -Professional(SAP)
受けたのは中盤あたりですが実質ラスボスです。これが一番難しかった、苦労したと言う方は多いと思います。問題の難易度、文章と選択肢の長さ、問われる知識の広さは断トツ1位です。個人的にはSAPに合格出来る人は全員全冠できると(勝手に)思ってます。それくらい難しく、受験後の疲労感がすごかったですが受かった後の達成感は格別でした。※現在のバージョンはSAP-C02です。
- SAA-C02_AWS Certified Solution Architect - Associate(SAA)
初めて受けたAWS試験です。自分にとって全く知らない0の状態から、ある程度知っている1の状態に持っていく試験でしたので結構苦労しました。当時はイーシーツーってなんですか?アイアムロールって何するための帽子なんですか?状態でした。着実に行きたい方はCloud Practicionerから開始してもよいかもしれません。※現在のバージョンはSAA-C03です。
資格取得について
Q. IT業界未経験でも資格取得は可能か?
未経験という言葉の定義が曖昧なので解答が難しいですが、ITの技術やAWSに多少なりとも興味があり、継続的に学習できる方であれば、ITの勉強や業務経験の有無に関わらず誰でも可能と考えます。ただし、自分もそうでしたが知識がない状態から最初の資格取得まではそれなりに苦労すると思います。あとは未経験の方の場合、どんな目的があって資格取得するのかを考えるとよいと思います。(AWSに携わる業務がしたい、スキルアップしたい、報奨金が欲しい等)
Q. 全冠したので業務はかなりできるようになったのでは?
いいえ(笑)。一時期私もそうなると信じていましたが、全冠していようがそこからいきなり業務がバリバリできるようになる!という夢のようなことは起きません。お客様からくる質問が試験で問われる内容よりも細かいことは多々ありますし、この設定にしたらシステムはどんな挙動をとるかといった技術検証は適宜必要です。しかしながら、某通信教育の漫画みたいに「あ、ここ試験でやったとこだ!」ということがちょいちょいありますので、やって損したと感じたことはほとんどありません。
Q. 資格を取るメリットは?
二つあると考えます。一つ目はやる気の証明につながり、スキルアップの場をいただけるようになりました。これが一番のメリットではないでしょうか。実際に私は前職で「経験は浅いけどやらせてみるか!」と社内では少なかったAWSを使う仕事に優先的に振られました。また、上司のサポート付きですが現職でも要件定義から構築まで幅広く担当させていただいてます。二つ目はサーバー、ネットワーク、セキュリティ、データベース等技術に対する興味の幅が広がって、業務時間外にも自発的に色々調べて勉強する習慣がつきました。
Q. 他に資格を取って得をした経験は?
宣伝になりますが、なんとBeeXでは試験費を負担してもらえるだけでなく、AWSのプロフェッショナル資格or専門資格一つ合格毎に報奨金10万円をもらえます!これから入社される中途採用の方も対象です!取得後も一回更新するたびに5万円もらえます!AWS以外にもAzureやGCPの資格も対象なのですが、詳しくはこちらからどうぞ。→『BeeX、優秀なIT人材の採用加速に向け、「入社前保有資格」を「資格取得援助制度」における報奨金支給対象に追加』
Q. モチベーションアップにつながった記事は?
こちらも宣伝になりますが、BeeXでは私以外に5名のAWS資格全冠エンジニアがいます。皆さんの記事は全冠取得を目指すうえで非常に役に立ちましたので、ぜひ皆さんもご一読ください。
- AWS認定資格を12個集めたのでこれまでの資格取得の振り返り
- AWS認定11冠達成したので振り返りと個人的ロードマップを考えてみた
- 【AWS】SAP on AWS 合格記&12冠達成するまでの勉強法
- 【AWS】AWS12冠達成をして考える、アプリエンジニアのAWS資格優先順(案)
- 文系未経験出身のエンジニアがAWS資格を12冠した話
Q. 資格なんて意味がないという声があるが、実際どう考えているのか?
こちらはAWS資格に限った話ではないですが、自分の目的次第ではないでしょうか。私も実際に前職で関わりの薄い上司に「資格をとれば偉くなれると思っているのか」と若干否定的なことを言われました(笑)。たとえば自分が「仕事でITを使う予定もないし、別に興味もないけどなんか最近AWS資格はホットだから何となくとってみました!」というレベルであれば、確かに資格取得の効果は薄いかもしれません。ですが私の場合は前述の通り、「AWS面白そう、仕事でも使ってみたい→でも枠が少ない→資格でやる気アピールしたらいけるかも!」というように、自分の向かいたい方向に行く手段として資格を取得してきました。(偉くなることは特に考えていませんでした。)その結果、今はBeeXのエンジニアとしてAWSを用いたシステムの要件定義・設計・構築という業務に携わることができています。以上はあくまで一例ですが、自分の中で大なり小なり目的があり、資格取得がその達成につながるのであれば意味は十分あると考えます。
勉強方法
Q. おすすめの勉強方法はあるか?
書籍や技術記事、Blackbeltを読んでインプットも大事ですが、やはり大事なのは実際に手を動かすことだと思います。特に知らないサービスについては、軽くでもいいのでハンズオンをやりましょう。問題演習も重要です。また、意外におすすめなのが先に試験を予約してしまうことです。勉強せざるを得ない環境を作り出して、自分に鞭を打つと勉強がはかどります。
あとは問題演習やBlackbelt等で勉強する時、iPadをお持ちの方はノートアプリを用いて勉強するのがおすすめです。私はGoodNotesを使っていました。ダウンロードしたBlackbeltやスクショしたWebの問題集に、自分で色々書き込んで勉強していました。GoodNotesはiPhoneともデータ同期できるので、暇な時間や通勤中に作ったノートを見返すことが可能です。下の画像は実際にANSの勉強をしていた時の勉強ノートです。Direct ConnectのBlackbeltをPDFでダウンロードして、GoodNotesで色々メモして暇なときに読み返していました。自分なりのメモを残しながら勉強すると、記憶の定着に大変役立つのでかなりおすすめです。
Q. 効率の良い取得順序はあるか?
受講者の知識や業務内容、経験に左右されるので、私と同じITの業務経験があまりない方向けの順序かつ最難関のSAP取得までを述べていきます。最初はCLF、SAAと受けることをお勧めしますが、いきなりSAAでもOKです。次はAssosiateの二つ(SOA, DVA)を取りましょう。その後、いきなりSAPでもOKですが、堅実に行きたい方はSCSを先に受けてからだとSAPと内容が被る部分が多くてやりやすいです。図にすると以下の通りです。SAP以降の他の資格については、ご自身の興味や業務内容に合わせて取得することをお勧めします。しいて言うならネットワークの知識が重要なのでANSがおすすめです。
Q. 実際に勉強に使った教材は?
とても多いので、ここは表形式で記します。書籍等は好みもあるので、実際に書店で中身をご覧いただいて自身に合ったもので勉強することをお勧めします。Udemyは必ずセールで安いときに購入しましょう。
試験 | 教材名 | 教材説明 |
---|---|---|
全て | AWS Blackbelt | AWS公式が様々なサービスを深堀しています。初見サービスは必ずここで確認し、メモ書きを残しました。 |
全て | AWS公式のハンズオン | 基本的なAWSのサービスについて手を動かしながら学べます。初回受験時は何も知識がない状態でしたので、ここで色々手を動かして勉強しました。 |
全て | AWS Skill Builder | 一部有料のものを除いて、アカウントを作成後はいつでもネット環境があれば講義やハンズオンが行えます。「Official Practice Question Set」では各試験毎に公式の模擬問題を無料で解けます。 |
全て | よくある質問 | AWS | AWSのサービス毎によくある質問への回答をまとめています。試験で問われる細かい部分は意外とここに載っています。 |
全て (PAS以外) | Teckstock | 試験と同じ選択式の問題をひたすら解きます。個人的にマスト教材です。かなり多くの受験者がお世話になっているのではないでしょうか。 |
SAA | 徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト - アソシエイト教科書 | SAAのインプットに使用しました。受験後に知りましたが、BeeXの社員も執筆に携わっています。 |
SAA | AWSではじめるインフラ構築入門 第2版 安全で堅牢な本番環境のつくり方 | SAAのインプットとアウトプットに使用しました。AWSのハンズオン以外に手を動かして勉強したい方にお勧めです。自分が勉強していた当時は初版でした。 |
DVA | ポケットスタディ AWS認定 デベロッパーアソシエイト | DVAのインプットに使用しました。 |
SAP | AWS認定ソリューションアーキテクト -プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説 | 問題演習に使用しました。Techstockよりも1問当たりの解説が丁寧なので、SAPを受験される方は購入をお勧めします。本番ではかなり助けられました。 |
SCS | 要点から攻略する『AWS認定 セキュリティ -専門知識』 | SCS特化の教科書&問題集です。今でもたまに読み返しています。 |
ANS | 要点から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング -専門知識』 | ANS特化の教科書&問題集です。ANS受験直前に出版されたため、かなり助けられました。 |
DBS | 要点から攻略する『AWS認定 データベース -専門知識』 | DBS特化の教科書&問題集です。 |
DAS | AWSではじめるデータレイク: クラウドによる統合型データリポジトリ構築入門 | AWSのデータ分析・データレイク系のサービスについて詳しく書かれています。DASのインプットに使用しました。 |
DAS | AWS Certified Data Analytics Speciality 2023 - Hands On! | Udemyの英語ハンズオン教材です。データ分析系のサービスに触れたことのない方にはお勧めです。 |
DAS | Practice Exams | AWS Certified Data Analytics Speciality | Udemyの英語模擬試験です。TechstockのDASの問題数が少なかったので追加でこちらの問題も解きました。自動翻訳を使えば日本語試験に早変わりします。 |
MLS | 深層学習教科書 ディープラーニング G検定公式テキスト 第2版 | MLSはAWSの試験ですが、純粋な機械学習の知識も必要ですので一冊機械学習系の本を読むのをお勧めです。私はこのテキストを一読してから問題演習に入りました。 |
MLS | AWS Certified Machine Learning Speciality 2023 - Hands On! | Udemyの英語ハンズオン教材です。機械学習系のサービスに触れたことのない方にお勧めです。 |
PAS | AWS認定 SAP on AWS -専門知識(AWS Certified: SAP on AWS -Speciality)の学習方法 | NRIネットコムさんの記事です。PASのインプットに使用しました。ボリューミーですが、その分得られるものも多いです。まだPASに関する日本語教材は少ないので、非常にありがたかったです。 |
PAS | AWS SAP on AWS Speciality 受験対策記事 | SCSKさんのブログ記事です。こちらもSAP on AWS(PAS)のインプットに使用しました。お世話になった方は多いと思います。 |
最後に
今回はAWS資格取得について色々まとめました。AWSの全冠取得記事は今となってはさほど珍しくないため、少々踏み込んだところまで記事にしてみましたがいかがだったでしょうか。こちらの記事がお読みいただいた方の参考・モチベーションアップに繋がれば幸いです。また、BeeXでは現在エンジニアを大募集しております。ぜひ一緒にBeeXでエンジニアとしてのスキルアップと経験を積みませんか?ご応募をお待ちしております。ここまでお読みいただきありがとうございました。